星と言葉のお話
静かな夜です……
それはさみしい映画でした
「詩人が愛を知ったのは
虎の子が血の味を知ったに等しい」
その映画の中で
そう伝えました
一矢で龍の眼を
射抜くような言葉です
そんな するどい言葉が
この世界に突然
生まれ落ちてくることがあるようです
この宇宙に突然
あたらしい星が誕生するように
もしかしたら
巨大なエネルギーを持つものが
人の上空に誕生すれば星に
人の胸中に誕生すれば詩に
なるのかもしれません
同根の学問かもしれない
わたくしはこっそり
そんなふうに考えております
とおくで とおくで
星のまたたく音……
それ以外には
なぁんにも聞こえない
ええ、今夜もそんな夜です