そーゆーブログ2

言葉と夜と本たちと

十五夜の翌晩に書いたお話

 

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静かな夜です…

十五夜だった昨晩は

絵に書いたような

満月が空にありました

 

月明かりのない今夜は

絵に書いたような

孤独がここにあります

 

満月は白うさぎの故郷

孤独はわたくしの祖国

 

かれの故郷も

わたくしの祖国も

夜とともにある
 


     †

 

虹(にじ)

花(はな)

指(ゆび)

髪(かみ)

瞳(ひとみ)

唇(くちびる)

霙(みぞれ)

 

すべて同じことであると

教えてくれたのは中也でした

 

いつかは消えてなくなる

どんなに美しくても

どんなに深く愛しても

 

     †

 

悪魔よりも孤独なのが

「漂白者」であると

教えてくれたのは朔太郎でした

 

どこにも家郷を持たない者が

「漂白者」であるならば

わたくしもまた

そうなのかもしれません…

 

どこにも家郷を持たぬこと

孤独を祖国に持つこと

さみしい言葉遊びです

 

     †

 

白うさぎが死んでしまうほど

さみしい夜には

まあるいお月さまを

思い浮べることにしております

 

お月さまにも

帰る家がありませんから

 

もしかしたら…

お月さまのからだが

あんなにまで冷たいのは

そういう理由によるのかもしれません

 

今夜も静かな

そして、さみしい夜です…

 

 

 

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