夜風や野良猫ではないから
そう わたくしは
夜風でもない
野良猫でもない
幸運でもない
そしてまた
四季でもない
天使でもない
あなたの親でもない。
なぜなら
あなたのそばを、
夜風が通りすぎても
野良猫が通りすぎても
幸運が通りすぎても
春が通りすぎても
夏が通りすぎても
秋が通りすぎても
冬が通りすぎても
そしてふたたび
春が通りすぎても
あなたの親であるべき人が
通りすぎても
すべての天使たちが
通りすぎても、
わたくしだけは
通りすぎないのですから
あなたのそばを。