そーゆーブログ2

言葉と夜と本たちと

寺山修司の言葉-1

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 引き算がさみしいのは

 だんだん数が減ってゆくからだよ

 

           寺山修司

  

※ 寺山修司(てらやま しゅうじ)

  (1935-1983)

  日本の歌人・詩人・劇作家 その他色々

 

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わたくしにとって

寺山修司という人は

いつだって さみしい詩人さんです

 

「引き算がさみしいのは

だんだん数が減ってゆくからだよ」

 

さみしい詩人さんの

この言葉が

ふと頭をよぎるたびに

わたくしは思うのです

 

もしかしたら

人の一生は 引き算で

できているのかもしれない、と

 

あと何回

あじさいの花々を

ながめることができるか

 

あと何回

書きかけの物語を

推敲できるか

 

あと何回

故郷の両親に

「ただいま」を言えるか

 

あと何回

やさしい人に

「おやすみ」を言えるか

 

あと何回……

あと何回……

考えるたびに

わたくしたちは

減ってゆく数のさみしさに気づきます

 

ゼロになるまで続く

さみしい引き算を

わたくしたちは一生かけて

やらなければならないのでしょうか

 

ふと そんなことを考えてしまいます

 

ええ、今夜もそんな夜です

 

 

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